「キッチンカーをやってみたい。でも、車両や設備に何百万円もかかるのでは?」
そんな不安から一歩を踏み出せずにいる人は多いのではないでしょうか。SNSで見かけるキッチンカーはどれもピカピカで、外装も凝っていて、「これを揃えるにはいくらかかるんだろう」と怖くなってしまいますよね。
結論から言うと、キッチンカーは工夫次第でかなり小さく始めることができます。ただし、店舗を借りないぶん、車両・厨房設備・出店場所という独自のコストがかかることも事実です。「小さく始める開業研究所」では、このキッチンカーというビジネスモデルを、開業費用・必要な許可・車両選び・売上のリアルまで、できるだけ具体的に研究していきます。
この記事を最後まで読めば、以下のことが分かります。
- キッチンカー開業に必要な資格・許可の全体像
- 開業費用は結局いくらかかるのか(低予算〜標準的なケースまで)
- 車両選びで失敗しないためのポイント
- 売上・利益のリアルなシミュレーション
- 副業として始める方法
- 失敗しやすいポイントとその対策
- 開業までの具体的なスケジュール
なお、営業許可や食品衛生に関するルールは自治体によって取り扱いが異なります。この記事内の数字や制度は目安としてご覧いただき、実際の開業にあたっては、必ず開業予定地域を管轄する保健所へ事前相談してください。

- 1. キッチンカーとは?本当に小さく始められる?
- 2. キッチンカー開業に必要な資格・許可
- 3. キッチンカーの開業資金はいくら?
- 4. キッチンカーの車両選び
- 5. キッチンカーの厨房設備
- 6. 何を売るか?メニュー選びが開業費用を左右する
- 7. キッチンカーはどこで営業する?
- 8. キッチンカーの売上・利益をシミュレーション
- 9. キッチンカーは副業から始められる?
- 10. キッチンカーの維持費・毎月の固定費
- 11. キッチンカー開業で失敗しやすいポイント
- 12. 「小さく始める」キッチンカー開業モデル
- 13. キッチンカー開業までの具体的なスケジュール
- 14. キッチンカー開業前チェックリスト
- 15. 結局、キッチンカーは小さく始めるべき?
- まとめ
- あなたの開業費用を実際に計算してみませんか?
1. キッチンカーとは?本当に小さく始められる?
1-1. キッチンカーの基本
キッチンカーとは、車両の中に厨房設備を備え、移動しながら飲食物を調理・販売する営業形態のことです。移動販売車、フードトラックとも呼ばれます。イベント会場、オフィス街のランチタイム、商業施設の一角など、さまざまな場所に出店できるのが特徴です。
1-2. 店舗型飲食店との違い
店舗型の飲食店は、物件取得費や毎月の家賃が発生します。立地の良い場所ほど家賃は高く、初期費用も数百万円〜数千万円になることも珍しくありません。一方でキッチンカーは「店舗」の代わりに「車両」を使うため、物件取得費・保証金・家賃という大きな固定費を避けられる可能性があります。
ただしキッチンカーには、車両購入費・車検・出店料・移動のためのガソリン代など、店舗型にはない独自のコストがかかります。「店舗を持たないから安い」と単純化せず、コストの中身が違うだけと捉えるのが実態に近いでしょう。
1-3. キッチンカーのメリット
- 物件の保証金・敷金・礼金が不要
- 出店場所を変えられるため、複数の商圏を試せる
- 週末だけ、月数回だけなど営業日数を調整しやすい
- 店舗改装よりも小さい規模から始めやすい
1-4. キッチンカーのデメリット
- 車両購入・改造費用がまとまって必要になる
- 天候によって売上が大きく左右される
- 出店場所の確保が容易ではない(人気の場所ほど競争がある)
- 車両の維持費・修理費が継続的にかかる
- 一人で調理・接客・会計をこなす体力的な負担がある
1-5. 「小さく始める」ならどこまで小さくできる?
車両を新車で購入し、設備をフルに揃えれば数百万円規模になりますが、中古車両を活用する、必要最小限の設備に絞る、週末だけの副業として始めるといった選択をすれば、初期費用を大きく抑えることも可能です。ただし「小さく始める」ことは「リスクがゼロになる」ことではありません。次章以降で、コストの内訳を具体的に見ていきます。
2. キッチンカー開業に必要な資格・許可

2-1. 食品衛生責任者
飲食物を提供する営業には、原則として「食品衛生責任者」の資格が必要です。都道府県などが実施する講習会を受講することで取得できます。調理師や栄養士などの有資格者は講習が免除される場合があります。
2-2. 飲食店営業許可
キッチンカーで飲食物を調理・販売するには、保健所から「飲食店営業許可」(または食品の種類に応じた営業許可)を取得する必要があります。車両を保健所の担当者に見せて、シンクの数、給水・排水タンクの容量、冷蔵設備の有無などが基準を満たしているかを確認してもらう「車両検査」が行われるのが一般的です。
2-3. 保健所への事前相談
もっとも重要なポイントは、車両を購入・改造してから保健所に相談するのではなく、車両を決める前の段階で一度相談しておくことです。基準を満たしていないことが後から分かると、追加の改造費用が発生したり、最悪の場合は営業許可が下りないこともあり得ます。
2-4. 営業できる地域・自治体の確認
営業許可は、営業する場所を管轄する保健所から取得します。複数の地域をまたいで出店する場合、地域ごとに許可の考え方が異なることがあるため、事前に確認しておくと安心です。
2-5. メニューによって必要な許可・設備は変わる?
提供するメニューの種類(調理を伴うものか、盛り付けのみか、乳製品や生ものを扱うかなど)によって、必要な設備や許可の区分が変わることがあります。メニューを決める段階で、想定している調理工程を保健所に伝えておくとスムーズです。
2-6. 営業許可以外に必要な手続き
車両を使って営業するため、道路運送車両法に基づく車検や、事業として開業する場合の税務署への開業届など、飲食営業許可以外の手続きも発生します。
2-7. 開業前に確認しておきたい行政手続き
- 食品衛生責任者の資格取得
- 保健所への事前相談・車両検査・営業許可申請
- 開業届の提出(税務署)
- 出店場所によっては道路使用許可や施設側の許可
これらの基準は自治体によって異なる場合があるため、「全国共通のルール」と考えず、必ず開業予定地域を管轄する保健所に確認してください。
3. キッチンカーの開業資金はいくら?
3-1. 初期費用の全体像
開業資金は大きく分けて「車両費」「厨房設備費」「営業許可関連費」「開業準備費(メニュー開発・備品など)」「当面の運転資金」で構成されます。どこにどれだけ配分するかで、総額は大きく変わります。
3-2. 新車で始める場合
新車のベース車両に厨房設備をフルオーダーで架装(かそう)する場合、車両代と設備代を合わせて数百万円規模になることが一般的です。デザインや設備を自由に決められる一方、初期費用は高くなりやすい方法です。
3-3. 中古車で始める場合
中古のベース車両を購入し、必要な設備だけを後付けする、あるいは中古のキッチンカーをそのまま購入することで、初期費用を抑えられる可能性があります。
3-4. レンタル・リースという選択肢
車両を購入せず、キッチンカーをレンタルまたはリースする方法もあります。まとまった初期費用をかけずに営業を試せるため、「本当に自分に向いているか」を確かめる手段として有効です。
3-5. DIYで初期費用を抑えられる?
厨房設備の一部を自分で取り付けることで費用を抑えられる場合もありますが、保健所の基準を満たさない施工をしてしまうと営業許可が下りない可能性があります。DIYを検討する場合も、事前に保健所へ確認しておくことが欠かせません。
3-6. 100万円以下で始めることは可能?
条件次第では不可能ではありませんが、車両の状態、必要な改造の範囲、地域の基準によって大きく変わります。「100万円以下で必ずできる」と断定はできず、あくまで一つの目安として捉えてください。
3-7. 「300万円必要」と言われる理由
キッチンカー関連の情報でよく見かける「300万円」という金額は、標準的な中古車両+厨房設備一式+営業許可取得+当面の運転資金を合計した、一つの目安とされることが多い金額です。車両の状態や設備のグレードによって、これより安くなることも高くなることもあります。
3-8. 最低限必要な開業資金をシミュレーション
以下はあくまで目安のモデルケースです。地域・車両の状態・メニューによって変動します。
| 項目 | 低予算型 | 標準型 | 設備充実型 |
|---|---|---|---|
| 車両 | 中古ベース車両を活用 | 中古キッチンカーを購入 | 新車にフル架装 |
| 厨房設備 | 必要最小限 | 標準的な設備一式 | 大型機器・複数設備 |
| 営業許可関連費 | 数万円台 | 数万円台 | 数万円台 |
| 開業準備費 | 抑えめ | 標準的 | 充実 |
| 当面の運転資金 | 少なめに確保 | 数ヶ月分を確保 | 数ヶ月分を確保 |
| 総額の目安 | 抑えめ | 中程度 | 高め |
金額はあくまで目安であり、実際の総額は車両の状態・改造範囲・地域の基準によって大きく変わります。
4. キッチンカーの車両選び
4-1. 軽トラック
車両価格が比較的抑えやすく、小回りが利くのが特徴です。ただし荷台スペースが限られるため、設置できる設備には制約があります。
4-2. 軽バン
軽トラックより室内での作業スペースを確保しやすく、天候の影響を受けにくいというメリットがあります。積載量には限りがあるため、設備を詰め込みすぎないことがポイントです。
4-3. 1t・1.5tクラス
作業スペースと積載量にゆとりが出るため、複数の調理器具を設置したい場合に選ばれやすいクラスです。車両価格・維持費は軽自動車クラスより上がります。
4-4. 大型車両
大人数向けのイベント出店や、複雑な調理工程が必要なメニューに対応しやすい一方、車両価格・維持費・駐車スペースの確保のハードルが上がります。「小さく始める」という観点では、最初の一台としてはハードルが高い選択肢です。
4-5. 中古キッチンカーを購入する
すでに厨房設備が架装された中古キッチンカーを購入すれば、初期費用と準備期間の両方を抑えられる可能性があります。一方で、設備の状態や、前の営業許可がそのまま引き継げるとは限らない点に注意が必要です。
4-6. 普通の中古車をキッチンカーに改造する
ベース車両を安く購入し、必要な設備を後から取り付ける方法です。自由度は高い反面、改造業者への依頼費用や、保健所の基準を満たす設計にする手間がかかります。
4-7. 車両選びで確認したいポイント
- 車検の残り期間
- 走行距離・年式
- 積載量と設備スペースのバランス
- 給排水設備を設置できる構造かどうか
- 電源(発電機・バッテリー)を積めるかどうか
4-8. 安い車両を買う前に確認すべきこと
「安い=お得」とは限りません。価格が安い車両は、車検が近い、修理が必要な箇所がある、厨房設備の後付けに向かない構造であるといった理由が隠れていることがあります。車両価格だけでなく、車検・修理費・厨房設備の設置費・給排水設備・電源・保健所基準・最大積載量まで含めてトータルで判断することが重要です。
5. キッチンカーの厨房設備
5-1. シンク・手洗い設備
調理用と手洗い用のシンクは、営業許可の基準として求められることが一般的です。必要な数や仕様は自治体によって異なります。
5-2. 給水タンク
営業中に使用する水を確保するためのタンクです。必要な容量は提供するメニューや自治体の基準によって変わります。
5-3. 排水タンク
使用した水を一時的にためておくタンクです。給水タンクと同様、容量の基準が定められている場合があります。
5-4. 冷蔵庫・冷凍庫
食材を安全に保管するために必要な設備です。扱う食材の種類によって必要な容量が変わります。
5-5. 調理台
調理スペースの広さは、提供できるメニューの幅や作業効率に直結します。
5-6. 換気設備
火や油を使う調理をする場合、換気扇や排気設備が必要になることがあります。
5-7. ガス・IH・電気調理器具
メニューに応じてガスコンロ、IHヒーター、電気調理器具などを選びます。車両の電源容量やガスボンベの設置スペースも合わせて検討する必要があります。
5-8. 発電機・ポータブル電源
出店場所に電源設備がない場合に備え、発電機やポータブル電源を用意しておくと安心です。使用する機器の消費電力に合わせて容量を選びます。
5-9. メニューによって設備費はどれくらい変わる?
揚げ物・グリル料理など火力を要するメニューは設備投資が大きくなりやすく、盛り付け中心・簡易調理のメニューは設備を抑えやすい傾向があります。「必要な設備を全部買う」のではなく、「自分のメニューに本当に必要な設備は何か」という視点で絞り込むことが、小さく始めるコツです。
6. 何を売るか?メニュー選びが開業費用を左右する
6-1. キッチンカーで人気のメニュー
クレープ、キッチンカーコーヒー、から揚げ、たこ焼き、カレー、サンドイッチなど、さまざまなジャンルのキッチンカーが見られます。
6-2. 初心者が始めやすいメニュー
調理工程がシンプルで、食材のロスが出にくく、提供スピードが早いメニューは、初めてのキッチンカー運営でも扱いやすい傾向があります。
6-3. 原価率から考えるメニュー選び
売上だけでなく、食材原価がどのくらいかかるかによって、手元に残る利益は大きく変わります。原価率を意識してメニューを設計することが重要です。
6-4. 調理工程が少ないメニュー
工程が多いメニューは提供に時間がかかり、行列ができたときに対応しきれない可能性があります。特に一人での営業を想定する場合は、調理工程の少なさが重要な判断軸になります。
6-5. 設備費を抑えやすいメニュー
大型の調理機器を必要としないメニューは、初期の設備投資を抑えやすくなります。
6-6. 食材ロスを抑えやすいメニュー
保存が利きにくい食材を多く使うメニューは、売れ残りによるロスが発生しやすくなります。仕込み量の調整がしやすいメニューかどうかも確認しておきたいポイントです。
6-7. 「売りたいもの」と「儲かるもの」は違う?
自分が作りたい料理と、利益が出やすい料理は必ずしも一致しません。情熱を持てるメニューであることも大切ですが、原価・調理時間・客単価とのバランスも合わせて検討しましょう。
6-8. 小さく始めるならメニューを絞る
メニュー数を増やすほど、必要な食材・設備・調理工程が増え、仕込みや在庫管理の負担も大きくなります。最初は看板メニューを1〜3種類程度に絞り、営業しながら調整していく方法が、小さく始めるうえでは現実的です。
7. キッチンカーはどこで営業する?

7-1. 出店場所の種類
オフィス街のランチタイム、商業施設の催事スペース、イベント会場、公園、企業の敷地内など、さまざまな出店場所があります。
7-2. 出店料はいくら?
出店料は場所によって大きく異なり、固定額を支払うケースと、売上の一部を出店料として支払う「歩合制」のケースがあります。
7-3. 売上歩合型と固定出店料
固定出店料は、売上が伸びたときに利益を残しやすい一方、集客力の低い場所では負担になりやすい方式です。歩合制は、売上が少ない日のリスクを抑えられる一方、売上が伸びたときの取り分が減るという特徴があります。
7-4. 出店場所の探し方
主催者やコーディネート会社を通じて出店場所を紹介してもらう方法や、企業・施設に直接営業して出店交渉をする方法などがあります。
7-5. 出店場所によって売上はどれくらい変わる?
同じメニュー・同じ価格帯であっても、出店場所の人通りや客層によって売上は大きく変動します。
7-6. 「人が多い場所=儲かる」とは限らない理由
人通りが多くても、競合するキッチンカーが多い場所や、客単価が低い客層が中心の場所では、思ったほど売上が伸びないこともあります。逆に人通りは少なくても、固定客がつきやすい場所であれば安定した売上が見込めることもあります。出店場所は「人の多さ」だけでなく、「自分のメニューと客層が合っているか」で判断することが大切です。
8. キッチンカーの売上・利益をシミュレーション

売上がそのまま利益になるわけではありません。売上から複数の費用を差し引いて、最終的な利益が決まります。
売上
↓
食材原価
↓
出店料
↓
ガソリン代
↓
決済手数料
↓
消耗品費
↓
車両維持費
↓
その他経費
↓
最終的な利益
8-1〜8-6. 1日の収支を組み立てる
1日の売上は「客単価 × 販売数」で決まります。そこから食材原価、出店料、ガソリン代、決済手数料、消耗品費などを差し引いたものが、その日の利益になります。
8-7〜8-9. 月間の利益目標から逆算する
以下は、あくまで目安として月間の利益目標から必要な営業日数・売上規模を逆算した一例です。実際の数値は客単価・原価率・出店料・営業日数によって大きく変わります。
| 目標月利益 | 必要な営業日数の目安 | 考え方のポイント |
|---|---|---|
| 月10万円 | 週末中心の営業でも狙える範囲 | 副業や試験営業として現実的な水準 |
| 月20万円 | 週3〜5日程度の営業が目安 | 出店場所の安定確保が鍵になる |
| 月30万円 | ほぼ本業レベルの営業日数が必要 | 複数の出店先を組み合わせる工夫が必要 |
8-10. 損益分岐点を計算する
損益分岐点とは、「その月の固定費と変動費をちょうどカバーできる売上」のことです。車両維持費・出店料などの固定費に、食材原価などの変動費を加えた金額を上回って初めて利益が出ます。開業前に、自分の固定費・変動費を洗い出し、損益分岐点となる売上水準を把握しておくことが重要です。
9. キッチンカーは副業から始められる?
9-1. 会社員でもできる?
勤務先の副業規定によりますが、土日や祝日など休日を中心に営業することで、会社員をしながらキッチンカーを試すことは可能です。
9-2. 土日だけ営業する
平日はほかの収入源を維持しつつ、土日だけ出店することで、リスクを抑えながら経験を積むことができます。
9-3. 月数回だけ出店する
毎週ではなく月に数回のイベント出店から始めることで、無理のないペースで市場の反応を確かめられます。
9-4. 本業を辞める前に試す
いきなり本業を辞めて開業するのではなく、副業として試しながら、売上の傾向や自分の適性を確認してから判断するという進め方もあります。
9-5. 副業から本業へ移行する判断基準
安定して利益が出せているか、出店できる場所を継続的に確保できているか、体力的に営業日数を増やせるかといった点を確認しながら、段階的に判断していくとよいでしょう。
9-6. 最初から脱サラするリスク
開業直後から本業として全てを賭けてしまうと、想定より売上が伸びなかった場合の生活への影響が大きくなります。「小さく試してから判断する」という進め方は、リスクを抑えるうえで有効な選択肢の一つです。
10. キッチンカーの維持費・毎月の固定費
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 車両維持費 | 自動車税・車検・任意保険など |
| ガソリン代 | 移動距離に応じて変動 |
| 厨房設備の修理費 | 経年劣化・故障時に発生 |
| 食材費 | メニュー・仕込み量に応じて変動 |
| 出店料 | 固定制または歩合制 |
| キャッシュレス決済手数料 | 決済額に応じて変動 |
| その他消耗品 | 容器・カトラリー・清掃用品など |
これらの費用は毎月継続的に発生するため、開業前に月間コストの見込みを立てておくことが欠かせません。
11. キッチンカー開業で失敗しやすいポイント
高額な車両を先に買う 保健所の基準や自分のメニューに合っているかを確認する前に車両を購入してしまうと、後から追加改造費用が発生することがあります。車両購入前に保健所へ相談することで防げます。
メニューを増やしすぎる メニューを増やすほど仕込み・在庫管理・調理時間の負担が増え、提供スピードが落ちてしまいます。看板メニューを絞ることで防げます。
売上予測を楽観視する 「毎日満席になる」といった楽観的な想定で資金計画を立てると、実際の売上が下回ったときに資金が尽きてしまいます。控えめな売上想定で損益分岐点を計算しておくことで防げます。
出店場所を確保せず開業する 車両や設備が揃っても、安定した出店場所が確保できていなければ売上は立ちません。開業準備と並行して出店先の交渉を進めることで防げます。
設備を買いすぎる 使わない設備に投資してしまうと、初期費用がかさむだけでなく車内スペースも圧迫します。自分のメニューに本当に必要な設備を見極めることで防げます。
原価計算をしていない 原価率を把握しないまま価格設定をすると、売れているのに利益が残らないという事態になりかねません。メニューごとの原価を事前に計算しておくことで防げます。
天候リスクを考えていない 雨天時は客足が大きく落ちる業態です。雨天時の売上減少を織り込んだ資金計画を立てておくことで防げます。
運転資金を残していない 開業資金を全て車両・設備に使ってしまうと、売上が軌道に乗るまでの数ヶ月を乗り切れなくなる可能性があります。数ヶ月分の運転資金を別に確保しておくことで防げます。
12. 「小さく始める」キッチンカー開業モデル
以下は、開業スタイルごとの特徴を比較した一例です。金額・売上はあくまで目安であり、実際の条件によって変動します。
| モデルA:週末副業型 | モデルB:中古車両・低予算型 | モデルC:本業として始める型 | モデルD:レンタル・シェア型 | |
|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 抑えめ | 抑えめ〜中程度 | 高め | 車両購入費なし |
| 営業日数 | 週1〜2日 | 週2〜4日 | 週5日以上 | 利用スケジュールに応じる |
| メリット | 本業を続けながら試せる | 初期費用を抑えつつ自分の車両を持てる | 収益を最大化しやすい | まとまった初期費用が不要 |
| デメリット | 収益は限定的 | 中古ゆえの修理リスク | 資金・生活リスクが大きい | 車両を自由に改造できない |
| 向いている人 | まず試したい会社員 | 予算を抑えて自分の車両を持ちたい人 | 経験を積んだうえで本業化したい人 | 開業前にお試しで営業したい人 |
「どのモデルが正解か」は人によって異なります。自分の資金・時間・リスク許容度に合わせて選ぶことが重要です。
13. キッチンカー開業までの具体的なスケジュール
- 売る商品を決める — 原価・調理工程・客単価を踏まえてメニューの方向性を固めます。
- 事業計画を作る — 初期費用・月間収支・出店イメージを整理します。
- 保健所へ相談 — 車両を決める前に、想定する車両・設備・メニューについて相談します。
- 必要設備を確認 — メニューと保健所の基準から必要な設備をリストアップします。
- 車両を探す — 新車・中古車・レンタルなど、自分の予算に合った車両を検討します。
- 資金を準備 — 初期費用と運転資金を合わせて確保します。
- 営業許可を取得 — 車両検査を経て、飲食店営業許可を申請します。
- 仕入れ先を確保 — 安定して食材を仕入れられるルートを確保します。
- 出店場所を探す — 主催者やコーディネート会社、直接交渉などで出店先を確保します。
- 試験営業 — 小規模な場でメニュー・価格・提供スピードを試します。
- 正式オープン — 試験営業で得た改善点を反映し、本格的に営業を開始します。
14. キッチンカー開業前チェックリスト
車両
- 車両(車検・走行距離・積載量を確認済みか)
- 厨房設備(メニューに必要な設備が揃っているか)
- 給排水設備(基準を満たしているか)
- 電源(発電機・ポータブル電源の容量は十分か)
許可・手続き
- 食品衛生責任者の資格
- 飲食店営業許可
- 保健所への事前相談
- その他必要な届出(開業届など)
営業準備
- メニュー
- 価格設定
- 仕入れ先
- 出店場所
- 決済方法
- SNSなどの発信手段
お金
- 開業資金
- 運転資金(数ヶ月分)
- 月間固定費の見込み
- 損益分岐点の把握
15. 結局、キッチンカーは小さく始めるべき?
ここまで見てきたように、キッチンカーには「初期費用を抑えられる可能性がある」というメリットがある一方で、「小さく始めることで営業日数や売上規模も小さくなる」というトレードオフもあります。
副業から始めれば生活へのリスクを抑えながら経験を積めますが、収益は限定的になりやすいです。逆に最初から本業として大きく始めれば、収益を伸ばしやすい一方、資金面・生活面のリスクは大きくなります。
「小さく始めることが必ず正解」というわけではありません。大切なのは、自分の資金・経験・目的・確保できる営業日数に合った規模で始めることです。
まとめ
キッチンカーは、車両さえ手に入れればすぐに利益が出るビジネスではありません。必要な許可を取得し、自分のメニューに合った設備を選び、出店場所を確保し、原価と経費を管理して初めて、利益が残る仕組みができあがります。
キッチンカーは、車両を購入することがゴールではありません。重要なのは、実際に商品を販売して利益を残せる仕組みを作ることです。
まずは、保健所への事前相談と、自分に合った開業モデル(週末副業型・中古車両型・本業型・レンタル型)の検討から始めてみてはいかがでしょうか。
本記事の金額・制度に関する情報はあくまで目安です。営業許可、施設基準、給水・排水設備の基準などは自治体によって異なる場合があるため、実際の開業にあたっては、開業予定地域を管轄する保健所へ必ず事前確認してください。
あなたの開業費用を実際に計算してみませんか?

ここまで読んで、
「キッチンカーを始めるには、思っていたよりいろいろな費用がかかるんだな」
と感じた方も多いのではないでしょうか。
でも、実際にキッチンカーを始める場合に気になるのは、
「結局、自分の場合はいくら必要なの?」
ということではないでしょうか。
車両を中古にするのか、新しく購入するのか。
どんなメニューを販売するのか。
厨房設備にいくらかけるのか。
週末だけ営業するのか、本業として営業するのか。
出店料はいくらなのか。
こうした条件によって、必要な開業資金も毎月の収支も大きく変わります。
そこで「小さく始める開業研究所」では、記事で紹介した考え方をもとに、自分の条件を入力してキッチンカーの開業資金や収支をシミュレーションできるExcelを作成しました。
このシミュレーターで計算できること
- キッチンカーの初期費用
- 車両・設備費
- 開業時に必要な資金
- 月間売上
- 食材原価
- 出店料
- ガソリン代などの経費
- 月間利益
- 年間利益
- 損益分岐点
- 目標利益を達成するために必要な売上
「なんとなく儲かりそう」で始めるのではなく、実際に数字を入れてから開業するかどうかを考えるためのツールです。
こんな方におすすめです
- キッチンカーを開業したいけれど、いくら必要なのか分からない
- できるだけ小さく始めたい
- 中古車両で始めた場合の収支を知りたい
- 副業として週末だけ営業した場合の利益を知りたい
- 本業として生活できるのか計算したい
- 開業前に損益分岐点を確認しておきたい
開業するかどうかを決めるのは、シミュレーションをしてからでも遅くありません。
まずは自分の条件を入力して、**「この規模なら始められそう」「この売上では厳しそう」**という現実的な数字を確認してみてください。
さらに開業準備を進めたい方へ
ここまで読んで、
「実際に自分の開業計画を作ってみたい」
という方には、目的に合わせて以下のツールを用意しています。
① まず開業準備を整理したい方
「キッチンカー開業チェックシート」

- 開業までにやることを一覧で確認
- STEPごとに準備状況をチェック
- 開業前の抜け漏れを防ぐ
- Excelで進捗管理


👉 「何から始めればいいか分からない」という方におすすめ

② 開業資金や利益を計算したい方
「キッチンカー開業・収支シミュレーター」

- 車両費
- 改装費
- 設備費
- 客数
- 客単価
- 営業日数
- 食材原価
- 出店料
- その他経費
などを入力して、
「自分の条件なら、どのくらいの売上・利益になるのか」
を試算できます。


👉 「この条件で本当にやっていける?」を確認したい方におすすめ

③ 開業準備をまとめて管理したい方
「キッチンカー開業完全パック」

開業チェックだけでなく、
- 開業チェック
- 収支シミュレーション
- 保健所相談管理
- 許可・届出管理
- メニュー管理
- 原価計算
- 仕入れ先管理
- 車両比較
- 設備管理
- 開業資金管理
- 出店先管理
- 仕入れ・在庫管理
- 売上・経費管理
- SNS・集客管理
- 開業前最終チェック
などをまとめて管理できる完全版です。



👉 「これ一つで開業準備をまとめて進めたい」という方におすすめ

※シミュレーション結果は入力した条件に基づく試算です。実際の売上や利益を保証するものではありません。また、営業許可や施設基準などは地域によって異なるため、開業前に管轄の保健所などへ確認してください。
